黄砂に煙った山に
山桜とコブシが咲いている。
樹々の葉っぱは淡い赤で
柔らかい緑に変るには後少し。
時と追いかけっこをしている様に
刻々と変化している山の姿。
そして
村の橋の上を
ツバメが数羽飛んでいた。
「やあ 今年もやって来たんだね」
久しぶりに通る琵琶湖岸の
くねくねと曲がっている枝振りの木は
小さな葉っぱを枝につけ
メタセコイアの並木は
そこだけぼんやりとした
柔らかい緑だ。
麦畑が広がる平野の上を
鳥が群れて飛んでいる。
ああ やっと春なのだと
心に響く今日だった。