蜂の小さな口で泥をくわえ
せっせと運んでは
丸い徳利の形を作る。
その中に
蜂の卵と生きた昆虫。
卵からかえった蜂の子供は
親が入れてくれた餌の昆虫を食べて育つ。
そして
土で出来た壁を割って巣立って行く。
実に逞しい。
丸く 素朴で かわいい土の巣。
徳利の口が開いていれば
「おお 巣立ったのだ」
薪の間には
枯れ枝や枯葉で作った巣。
仕事場の隅には
枯葉とちぎった新聞紙で作った巣。
蜂も野鳥も小さな動物も
ふかふかの自然素材のベッドで冬籠り。
そして
私が知らない間に巣立って行く。