台風21号の三日程前に
チャックの畑のボランティアで
フランスのリールという
ベルギーとの国境沿いの街からやって来た
21才のフランス娘、アシュレッド。
大人も震え上がった21号台風にも
怖くなかったと強がった。
そのフランス娘が
今日ここを離れた。
小さな花束を持って
夕方うちのドアの前に立つ。
「ありがとう」と花を受け取っても
帰る様子もない。
そんな事で四回夕食を一緒に食べた。
どんなものでも
おいしい、おいしいと食べる。
京都から東京までバスで。
そして
上野のユースホステルに泊まり
成田からフランスへ。
ボランティア達のファミリーネームも
住所も知らない。
若い彼らの人生の途中
山の村での思い出の一つになれば
それで楽しい。