以前はそんなにいいと思わなかったのに
今はとても好きだと言うもの。
誰にもこんな経験があると思う。
ある本を探している時
本棚の積み重なった本の間から見つけた
1995年の展覧会の作品集「MARISOL」
探すべき本はどうでもよくなり
私はマリソルの作品集に釘付けになった。
展覧会で見た時
そんなに感動もしなかったのに。
1986年に98才で亡くなるまで
アメリカ ニューメキシコの荒野で
絵の制作を続けたジョージア・オキーフ
その濃密で頑固、寡黙なオキーフの生涯を
こんなにも的確に表現した作品があるだろうか。
古い柱に彫られたオキーフ。
それを石の上に据えて
杖を携え
はにかんだ様に微笑み
私を見ている。
20余年経ってやって来た感動。
しばし この作品集を側に置き
朝に夕にページをめくろう。