山の中に住んで


雲が南から北へ

形を変えながら

早足で過ぎてゆく。

 

速い 速い。

 

山の木が

強い風でうねる姿に

不安になる。

 

遠い昔

私達の祖先が

木や岩 山や海、火に

神を感じたのはこう云う事なのだろう。

 

山の中で

何かの視線を感じ

ふっと後ろを振り向いてしまう。

 

自然は私達を包み込む

優しいものでもあり

怖くもある存在だと

山の中に住んで知った。