林業を生業としている人達は
どこの国でも同じ事をしているのだ。
「メインの森」(ソロー著)を
読んだ時そう思った。
19世紀 アメリカメイン州。
ソローがメイン州の川に沿って
奥へ奥へと旅をする。
その時にソローが聞いた話。
切った木を町へ運ぶ手段は川。
川の水が増える厳寒の冬に
大量の木を川に流す。
それを操るのは筏師。
岩に木がつかえて流れなくなると
氷の様な川に飛び込み
水を吸った重たい木を動かす。
死んだ筏師もいるのは当たり前。
私の住む地域も林業の村だ。
村にトラックの道が出来
そこをトラックが走る様になるまで
厳寒の川を使って杉を琵琶湖に運んでいた。
同じ様に筏師が筏の上で木を操り
同じ様に岩で動かなくなった木を
筏師は川に飛び込み何とか流そうとする。
同じ様に死んだ筏師は数が知れない。
集落に一つずつある神社は
筏師の安全を祈る神社だ。
筏で使う大きな杖はサルスベリ。
筏に悪さをする河童は
この杖でコツンと叩かれる。
この辺りの河童は大変だ。
今はどこで何をしているのやら。
「お元気でしょうか?」