フランス人の女の子、ポーリンは20才だ。
日本のあちらこちらを旅しながら一年滞在する。
いよいよ今日
うちの集落を離れ岡山へと移動する。
スイス人のカミルと
夜に小さな小屋の我が家にやって来ては
クレープを焼いてくれたり
ずっしりとしたパンを持って来たり。
オーブンもないチャックの小屋で
どうしてパンを焼いたのか。
そのポーリンに伝授されたパンを焼いた。
小麦粉を発酵させた天然酵母を使い
塩、ほんの少しの砂糖、強力粉と水。
レーズンは好みの量だけ。
発酵して膨らんだ強力粉の塊。
そして
てっぺんに包丁で
十字の切り目を慎重に入れた。
時々オーブンを覗きながら
200度で45分。
ずっしり重い素朴なフランスのパンの焼き上がり。
酵母を絶やさない様にがんばってみるよ。
「ポーリン、ありがとう
元気でね」