トミコさんのさつま芋の蔓。
雨の昨日。
夕方にひたすら皮を剥いだ。
皮の無くなった淡い緑の茎を
ポキっと折っては
小さいブルーのプラスチックの洗濯桶に
ポイッと放り込む。
大きめの鍋に溢れる程の
翡翠色の茎。
グラグラと炊いていると
湯が灰汁で黒く変わる。
ざるの中のゆがいた茎。
鍋の中に茎と
砂糖、醤油、鷹の爪と水を入れ
ひたすら甘辛い汁が無くなり
量が半分になる迄煮詰める。
最後に少しの酢を加える。
人様に振る舞いたいと思う程の
料理好きではない。
灰汁で黒く染まった指先と
親指と人差し指の爪の間の痛みと汚れ。
さつま芋の茎煮も
誰かが作ってくれるのなら
とても嬉しい。
出来上がった茎煮を
小分けにしてジップロックの袋に入れる。
三つは冷凍庫に
一つはトミコさんに。
「こんなにようけくれるの〜?
一人やからちょっとでええよ」と
トミコさんはいつも言うのだ。