丹波栗みたいな
大きいニンニクの一欠け。
ひさしの下に
ずらっと並んで干してある
人間の拳くらいのニンニク。
オチヨさんは丁寧に選んで
8個私にくれた。
家でニンニクを使わない私は
4個友達にあげた。
90歳の女の人が作ったニンニク。
それが私はちょっと自慢だった。
オチヨさんに会った時
友達にもお裾分けした事を言うと
ふっと残念そうな顔をした。
フライパンに
ほんの少しの油。
そこに二欠けのニンニク。
焦げ目が付く迄
じっくりと焼く。
香りはすっかり消え
ユリネの様な
ホクホクとした食感。
まろやかに変化した。