
シロモジ
数年前
山の中から引き抜いてきた
小さくて細い
木の子供。
「シロモジです」と言ったかどうか。
ちゃんと根付いたが
大きくならない。
やっと芽吹いた
少しの葉っぱは
鹿のおやつになったり。
今年の雪に埋もれて
弓の様にしなった枝。
ところがどうだ
幹も枝も
見違える様に伸びて
若い葉っぱは
柔らかく開いた。
蜜蝋色の小さな花が
輝いて揺れて
溢れんばかりだ。
見上げる様に背が高くなった木。
風で倒れない様に
支柱を立てた。