私は
小難しい顔をした
写真が好きだ。
だから
随分前に友達が
星野道夫「旅をする木」
を貸してくれた時
「ああ、あの動物写真家の」と
期待もせずに読み始めた。
「川の上流で芽を出し
大きくなりやがて朽ち
川に流され河口にたどり着いた
トウヒの木」
川を旅してきた木の生涯を
清潔な文章で描く。
五感を研ぎすまし
自然の声を聴き
目を凝らす。
アラスカの動物、厳しい自然、人を
ピュアな目と心で写しとった
写真と文章。
今読んでいる本が終わったら
もう一度
じっくりと読み返してみたい。
グリズリー