90才のオチヨさんは
春には
蕨を採りに山に入ったり
午前中に
ジャガイモの苗を
200本植えたり
世界で起きている事にも
精通している。
杖も使わず
軽トラの荷台にも
軽々と乗る。
そのオチヨさんに
「去年の小豆やけど食べるか?」
と大きな袋にたっぷりと貰った。
ストーブの上で
コトコトと音をたてている
小豆の鍋。
砂糖たっぷり
塩をひとつまみ。
焦げ付かないかだけを気をつけて
そのまま数時間。
分厚い鋳物の鍋の中で
ゆっくり寝かせて
次の日の朝。
ホロホロと
ほぐれる様に
炊きあがった。
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