午後4時過ぎの月

 

午後4時10分

 

淡い空色に

溶けていきそうな薔薇色の雲。

 

完璧な舞台に

すまして現れた半月。

 

山に囲まれた

谷間の狭い空に

現れたと思えば

消えて行く。

 

カメラを抱え

月を見上げる私は

無言劇の主人公に

拍手を送る。

 

 


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