夏野菜が村の方達から届く。
トマト、茄子、キュウリ、オクラ、唐辛子、ジャガイモ、ズッキーニ、イエロースカッシュ、そして、そうめんカボチャ。
嬉しい悲鳴をあげている。
しかし、「新鮮なうちに食べなければ、せっかく頂いたのだから萎れさせてはいけない」の日々で、ついついいつもの何倍もの野菜を食べてしまう。
そして、遂にお腹も悲鳴をあげてしまう。
ここに住む様になって初めて知ったそうめんカボチャ。
綺麗な黄色で一見マクワウリかと思う。
皮をむかずに輪切りにする。それを湯がくと、そうめんのような繊維が残る。その繊維状のものを、酢の物、すき焼き、柴漬け等で食べる。
柴漬けのそれは、コリコリと歯ごたえがよく、柔らかい茄子との相性がいい。この柴漬けを村の奥さん達から頂くと、「ヤッター」と言う気分になる。
今年、そのそうめんカボチャを届けて下さった男性は、今年の春に奥さんをなくされた。「60年一緒やった」としみじみ言われ、これから先、どうされるのだろうと思っていた。
その家の前を車で走ると、奥さんがいつも作っておられた畑に、キュウリ、茄子・・・沢山の野菜が育っている。
「野菜は全然食べない」と奥さんがグチを言っておられたご主人が、奥さん亡き後その畑にちゃんと野菜を育てておられた。
「柴漬けを漬けよと思う。カカのやっとたのを見てたから、やり方は分かっとる。でも、塩加減がなぁ・・・。まあ、一回やってみるわ」
「上手く漬かれば、おすそわけを」と言うのを忘れない夫。
朝早くから田んぼの回りの草刈り、野菜の世話、洗濯、食事、そして、グランドゴルフ。
逞しく、元気に過ごしておられる。