春と冬が行ったり来たり。
ここ数日の雨で周りの雪はどんどん融けて、今迄雪の下に隠れていた枯れた花の茎や、枯れ葉、動物が掘り返した生ゴミまでがあらわになった。何ともみっともない景色である。
この季節に決まって訪れるのが鳥のキセキレイだ。ヤマガラやシジュウカラより少し大きく、胸からお腹にかけて淡い黄色の、尾をピンピン動かしながらピーピーと可愛い声で鳴く美しい鳥。
シジュウカラやヤマガラは群れをなして山や林の中を飛びまわる。初めてその光景を見た時は「おぉー!」と心の中でうなったものだ。
キセキレイは2羽で飛び交い、うちのアトリエの屋根、お隣の尖った屋根のてっぺんで、ピーピーと鳴きながら辺りを見回している。
去年の台風で崩壊した裏の工事がいよいよ始まる。
力強い重機がゴンゴンと地響きをたて、大きな土嚢を川の真ん中迄移動し川の流れを変えた。どれ位の時を待てば完成するのか。コンクリートの護岸は風情もない、生物にも良くないと言っていた私だが、今の願いはただ一つ。どうか、頑丈な岸になりますように。
京都では桜が咲き始め、柳は淡い緑の芽を吹き、暖かな空気に包まれているのに、ここはやっとフキノトウが顔を出したばかりだ。