二ヶ月程前、アメリカ、バーモント州のテレサから「メープルシロップを食べた事がありますか?」というメールが来た。
「勿論。日本ではメープルシロップはスーパーで売られているけど、殆どがカナダ産。バーモントのは見た事も、食べた事もない」と返事を書いた。
数週間後、小さな,しかし,重い荷物が届いた。
しばし棚に並べて観賞。そして、薄いジャーマンパンケーキを沢山焼いて、メープルシロップをかけて食べる。最初は勿体ないなあと思って少しだけ。でも使い始めると勿体ないはどこかへ消えて,たっぷりとかけて食べている。
テレサはブルーベリーパンケーキにかけて食べると言っている。そう言えばバーモントのインのパンケーキには、ブルーベリーが入っていたな・・・
テレサは言う。「メープルシロップは厳しいバーモントの冬への甘いご褒美なんです」
レンタカーでニューイングランドの田舎町をドライブ,と言えば、「それは楽しいだろう!」と思われるかも知れない。
乗った事もないセダンタイプの車、左ハンドル、オートマティック車。そしてレンタカーのカウンターで渡された簡単な地図。
いくら田舎町とは言え、私にとっては試練のドライブだった。
そんなドライブの途中に、目的地までの道を教えてくれたのがテレサと彼女の夫トゥイッグだった。
あの日から13年。細々と、しかし,途切れる事なくこの縁は続いている。もう行く事はないだろう、バーモントの田舎町。
送ってもらったメープルシロップを食べながら、懐かしさでいっぱいだ。