爆弾低気圧で日本中に台風並みの南風が吹き、朽木では雨が横殴りに吹き付けた。
桜はまだ蕾は固く、やっと野の花がチラホラ咲き始めた。
一番始めに地味なオウレンの花がひっそりと林の中に咲く。そして、次はキクサキイチゲだ。薄紫の花が川辺に揺れている。毎年の事だ。この花を見つけると、とても嬉しい。
荒れた天気の後の川は流れも荒い。暗い灰色の空を映しうねる様に下って行く。穏やかに晴れた日は、川の音迄が軽やかだ。
そんな川の傍でキクサキイチゲは咲いている。
シロモジの蕾と小枝のバランスが私好みだ。花は開いても小さくて梅や桜の様に待ち焦がれたりされない。でも、シロモジはそんな事は意に関せず。毎年、川を見下ろしながら白い花を咲かせる。
これからはタンポポ、ミヤマカタバミ、シュンラン、スミレ、ホトケオザ、ツクシ、ラショウモンカズラ、ニリンソウ等々、次から次へと咲き始めるだろう。
台風並みの風で山が動いている様に感じる日、私はアトリエに行くのが嫌だ。そんな私を呆れているかの様に、お天気の機嫌が良かろうが,悪かろうが,私の回りの木や花達は、在る日突然花を開いて私を驚かす。