街でも、山里でも、海辺の村でも、朝顔は夏の朝の花。
村の奥さんから頂いた苗は、何の手入れもしないのに、毎朝シロのお墓の回りに沢山の花を咲かせる。
山に囲まれたこの辺りは、草花に水やりをしなくても朝になれば土も植物も露で濡れている。
もう一人の奥さんから頂いた唐辛子の沢山の苗。やっと花を咲かせた。実が終わった後も、葉っぱまで食べられる。働き者の勝ち気な人みたいな野菜だ。
はるばるアメリカはバーモントから届いたイエロースカッシュの種。
乱暴に育てたのにチャンと実を付けてくれた。形も色も愛らしく、生で食べたり炒めたり。頼りない味だ。でも、そんなだから長くおつき合い出来そうな、そんな野菜の様な気がする。
夏の日は長いけれど、山の影がうちの小屋にかかると昼間の暑さを忘れる程ヒンヤリとする。
扇風機さえもいらない。窓から冷たい空気が流れ込む。
遅い夕焼けが、ゆっくりと流れる雲をサーモンピンクに染める。