雪解け水がドウドウと音をたてて流れていた川も、柔らかな表情で楽しそうに下って行く。キセキレイがチッチと鳴く。雪の下で辛抱強く春の陽射しを待っていたラッパ水仙の葉が、姿勢を正して土の中から現れる。春が来たかと思えば又冬の寒さに逆戻り。この繰り返しが何回あっただろう。
木の芽和えに使う山椒の葉もまだ堅い皮をまとっている。頂いたタケノコはほうれん草と辛子酢みそ和えにする。
花の種を蒔く。何日もかかってごま粒程の芽が出た。園芸下手の私は上手く咲かせる事が出来るだろうか?
下の河原でヒカゲスミレに挨拶。「やっと咲きましたね」
昼ご飯の後、河原に降りるのが日課になった。雪が消えた後の楽しみである。軽やかに小さな渦を巻いて楽しそうに下って行く川。
上流から流れて来たのか、まるでサンドペーパーで磨いた様に滑らかな面の石達。その表情も様々だ。まだ人類がこの地球に現れていなかった頃、この石達は誕生したのかな?。手の平に乗せた石を見ながら思う。
途切れる事のない時の流れ。今、ここに私がいる不思議を感じる。