「Wild Flower」と「野の花」

小屋のまわりの野の花
小屋のまわりの野の花

「潮風のサラ」と言うアメリカのドラマが10数年前にNHKで放映された。私の好きな俳優、クリストファー ウォーケンが出ている。その上にカンザスの田舎が舞台だ。これは是非見なければ。

 

グレン クロースが演じるサラは、メイン州の海辺の街から、地平線まで小麦畑が広がるカンザスの二人の子供を持つ男性の所に後妻にやって来た。聡明なサラが苦難を経験しつつ新しい家庭を築いて行く。サラは野の花を摘んで柱にぶら下げて乾かす。「こうしておけば、花のない冬に部屋に花が飾れるでしょう?」と子供達に教える。サラは、しばらく女性の匂いのしなかった家庭に、こうして新しい知恵や情操を吹き込んで行く。

 

ロマン ポランスキーの「テス」。ナスターシャ キンスキー演じるテスが、好きな男性の部屋に忍び込む時に、野の花の花束を持って行く。あまり好きではないこの映画の、少しの記憶の中の一場面だ。

安野光雅の絵本の中で揺れるポピーの野原。

 

「ワイルドフラワー」の種をスーパーで見つけた時、小屋の周りでワイルドフラワーが風に揺れている様が心の中に広がった。3度目の正直で、1平米位の狭い所にやっと芽が出て花が咲き始めている。どれもこれも花は小さく茎はひ弱で、風雨にさらされて倒れている。そして、ふっと、この花壇の向こうに目をやれば、様々な種類の沢山の野の花が風雨にめげる事なく風に揺れている。「なんだ、こんなにたくさんの野の花があるじゃないか・・・」

今年芽が出たワイルドフラワーは、花の後種を落とし、来年の今頃もう少したくましい姿で野の花に混じり、小屋の周りのあちこちに咲くのかも知れない。

生態系が変わるって?そうかもしれない。でも,日本という国は、昔から沢山の外来の物を取り入れて自分の物として消化してきたではないか。正倉院の中に納まりきれない膨大な外来の物達。言葉から食物に至るまで。

 

そう自分に言い訳をしている。

ワイルドフラワー
ワイルドフラワー
ワイルドフラワー
ワイルドフラワー