二日前の夕方、窓の外が何となく何時もと違う。
ドアを開けて表に出る。頭上に開けた空は息を飲む様なサーモンピンク色で燃えていた。南東の空を流れる雲は、拡げたピンク色の薄い綿のようで、その後ろに月が見え隠れする。今までに見た事がない夕焼けの空。数分で消えてしまうこの自然のショーを一刻も見逃すまいと私はひたすら空を見上げる。
後ろを振り向くと、ピンクの絵の具を一刷毛,二刷毛。ブルーグレイの空に描いている。
広い,広い空に筆と絵の具を持った巨人の絵描きが,今日はサーモンピンク、明日は輝く白,そしてその又次ぎの日はシルバーグレイと,空に雲を描いているようなそんな気がする。
この日は京都でもそれは、それは、ゴージャスな夕焼けが見られた。ギリシャ神話に登場する神々やニンフが飛び交って空をサーモンピンク、オレンジ、ラベンダー、ベージュ、そしてシルバーグレーに染めたかの様な。
そしてここ平良で私が見上げた夕焼け空は、何処か違う星にたどり着き,そこから見上げた怖い様な夕方の空だった。