針畑川に沿った集落に商店は酒屋が一軒。他には何もない。何かを買おうと思えば車で30分、40分。そんな何にもない所にこの看板は立っている。10数年前にこの看板を始めて見た時から今でも、見る度に楽しい。
枝を切った後が残る杉を意識的に使ったのか、裂けた杉を屋根に意識的に使ったのか、とにかく風雅そのもの。板に彫られた店名に白の塗料。「スグソコ」と書かれた案内に矢印まで付いている。まるで看板とはかくあるべきと言うお手本の様な看板である。シンプルで、分かりやすく、印象的で、かつ、ユーモアまで備わっている。
夫がある日、車でこの看板の前を通った。風雅な屋根の上に「クマタカが止まっていた」と興奮して帰って来た。車を見ても飛び立ちもせずのんきなものだ。
この看板を作られたのは酒屋の御主人。こんな感じのお方です。
どこに行くにもこの看板の前を通る。
「いってきます」「ただいま」