今年の冬はさんざんだった。
ひどい鼻風邪がやっと治ったと思ったら,10日程前に突然「魔女の一撃」にあった。ぎっくり腰である。只歩いていただけなのに。「魔女の一撃」とは誰が言ったのかは知らないが,実にうまい事を言うものだ。20代の頃から私はこの魔女に取り憑かれている。ここに引っ越してから一撃には会わず,魔女もこの山奥までは来ないんだと喜んでいた。
亡くなった義母に貰った貼り薬、薬箱の鎮痛剤、貼るカイロ。全部使用期限が切れていた。こんなものを貼ったり,飲んだりしながら痛みが去るのを待った。
腰をさすりながらでも少し歩ける様になった頃,少し前から調子の悪かった携帯電話がいよいよ駄目になった。引っ越しの時,固定電話がつくまで電話がなければ不便だと思って使い始めた。小さくて,薄くて,色も白で気に入っていたのに。仕方ない。ドコモショップまで35分、車を走らせた。
新しい携帯電話は最少の機能を選んだにもかかわらずテレビまで見られる。40インチの液晶テレビを家で見ている人達は,こんな小さな画面で何を見るのだろうか。と,思いながら、私は説明書を読みながらテレビを見たり,着信音を設定したりしながら腰をさすりダラダラと日を過している。
そして今日、時は3月。
外は冷たい雨が降ってはいるが,何時までも携帯電話で遊んではいられない。