この村に住み4年目になるが、少し前から「街の人」は「村の人」を,「村の人」は「街の人」をお互いに誤解を持った目で見ているのではないかと思っている。
村の女性がある日私に言った。「街の女の人は遊び回っているんだろう,毎日」。確かに昼間の街のレストランは女性グループで沸き立っている。しかし、私の友達の多くは共働きで,若い頃は子供を保育所に預け毎日大忙しの大奮闘をしていた。又,専業主婦も毎日ランチを友達と食べ歩いているのではない。せいぜい¥1000迄のランチをたまに楽しんでいるのを私は知っている。ランチを食べながらのあの真剣な顔を見れば分かるだろう。例えそれがヨン様の話であっても真剣なのである。
街の女性が思い浮かべる村の女性の像。「田舎の人はものを知らない」。確かに田舎の人はハイカラな料理は作らない。街の老舗のあの美しい形の淡い甘さの半生菓子を食べている人は少ないだろう。お昼にランチを友達と食べる経験はそんなにないかも知れない。しかし,村の女性の漬ける漬け物は、街の漬け物屋のものよりおいしい。鯖寿司は形、味共に見事である。私より一世代上の女性は何でも出来る人が多い。今、街ではやりのスローライフ等ここらの女性にとってはずっと前からし続けている日常なのである。しかし、時は進み,今と10年前とでも違う。交通機関の進歩で街と田舎の距離は縮まった。
まだ,お互いにそのような偏見を持っているとすれば、それは只単に文化の違いだと気づくべきだと思う。どちらがいいとか,遅れているとかではない。住んでいる土地の文化が違うのだと,長年街に住み、そして今、田舎に住んでいる私は思う。