晩秋の今頃の紅葉は、錦秋とはこう言うものかと思わせる程の華麗さである。去年の完璧な紅葉と違い、今年の長過ぎた夏が葉の色を悪くした。それでもこの様な見事さだ。アラスカやアメリカの紅葉の様に横の広大な広がりはないが、杉の人工林の間に、下から上へと紅葉が伸びる。
そしてこれからは落葉が始まる。歩いていても、車で走っても、黄や紅の葉がヒラヒラと、時には強い風で吹雪の様に吹かれて落ちて来る。雨が降れば、景色はしっとりと靄がかかる。
沈黙の冬の季節の前に何とおしゃべりな季節だろうか。
そして私にとっても一番心が騒がしくなる季節でもある。