家の裏や,山の中。春,花が咲く頃になると村のあちこちで蜂の巣箱が見られる。四角の箱であったり、木をくり抜いたりと、形は家によってそれぞれである。季節の畑仕事と同じ様に,その季節のなると巣箱が置かれる。引っ越した頃は,村の人のこの何気ない作業に驚きを感じたものだ。
そして6月頃になると新蜂蜜が売られる。私は毎年買いに行き朝食のパンに旬の物として塗って食べる。
ある日、村の酒屋さんの自家用の蜂蜜があまり沢山採れたので、残りを売っていると聞いた。
数日後、前を通りかかったので店に寄った。棚に置かれた2個の蜂蜜の小さい瓶は、化粧気のない,健康的な村娘が店先のチョコンと座っている様な,そんな感じがあった。
山里に住んでいるとこう言う小さな贅沢がある。